はじめに

「事業計画書を作りたいけど、何から手をつければいいか分からない」
「銀行から融資を受けるために必要と言われたが、書き方が分からない」
「過去に作ったことはあるが、実際の経営に活かせていない」

このような課題を抱えていませんか?

私は元銀行員として数百件の事業計画書を審査し、その後コンサルタントとして100社以上の事業計画策定を支援してきました。その経験から断言できるのは、事業計画書は単なる「融資を受けるための書類」ではなく、経営を成功に導く最強のツールだということです。
実際、中小企業庁の調査によると、事業計画書を作成している企業は、作成していない企業に比べて売上高が増加する傾向が約14%高いという結果が出ています。計画書の作成は経営戦略の明確化や実行管理につながり、企業の成長を後押しする重要な取り組みといえるでしょう。
(中小企業庁 経営計画の策定状況等)
 https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H28/h28/shoukibodeta/html/b1_2_3_2.html

しかし、多くの経営者が「作り方が分からない」「時間がない」という理由で、この強力なツールを活用できていないのが現実です。

本記事では、銀行の審査基準を熟知した元銀行員の視点と、100社以上の成長を支援してきたコンサルタントの実践ノウハウを余すことなくお伝えします。初めて作成する方でも、ステップバイステップで実践的な事業計画書が完成するよう、具体的な記入例を交えながら解説していきます。
特に2025年の経営環境においては、AI活用やDX対応、SDGsへの取り組みなど、従来とは異なる要素も計画に組み込む必要があります。最新のトレンドを踏まえた、金融機関から高評価を得られる事業計画書の作成方法を、一緒に学んでいきましょう。

目次

1. 事業計画書とは?作成の必要性とメリット

1-1. 事業計画書の意味と経営における重要性

事業計画書とは、企業が目指す将来の姿と、そこに至るまでの具体的な道筋を文書化したものです。例えるなら、目的地までのナビゲーションマップのようなもので、「3年後に売上を2倍にする」という目標に対して、「どの商品を」「どんな顧客に」「どうやって販売するか」を明確に示した設計図です。
2025年現在、経営環境の変化スピードは加速しており、AIの普及やリモートワークの定着など、5年前には想像もできなかった変化が起きています。このような不確実性の高い時代だからこそ、事業計画書は単なる書類ではなく、変化に対応しながら成長するための羅針盤として重要性を増しています。

1-2.事業計画書が経営者にとってもたらす3つのメリット

経営者が事業計画書を作成することで得られる主なメリットは以下の3つです。

1つ目は「経営の見える化」です。 頭の中にある構想を文字や数字に落とし込むことで、曖昧だった部分が明確になります。例えば、「来年は売上を伸ばしたい」という漠然とした目標が、「既存顧客への追加提案で月間50万円、新規開拓で月間30万円の売上増加」という具体的なアクションに変わります。

2つ目は「リスクの早期発見」です。 計画を立てる過程で、資金不足のタイミングや人材確保の必要時期が事前に分かります。ある製造業の社長は「事業計画書を作って初めて、設備投資のタイミングで運転資金が枯渇する可能性に気づいた」と話していました。

3つ目は「意思決定の迅速化」です。 判断に迷った時、事業計画書に立ち返ることで、本来の目的に沿った選択ができます。日々の業務に追われていると、目先の利益に飛びつきがちですが、長期的な視点での判断が可能になります。

1-3.金融機関や従業員が事業計画書を求める理由

金融機関が融資審査で事業計画書を重視する最大の理由は、「返済能力の見極め」です。銀行の融資担当者は、過去の決算書だけでなく、将来の収益性を判断材料にします。具体的には、売上予測の根拠、利益率の改善策、返済原資の確保方法などを確認します。特に2025年現在は、コロナ禍からの回復期における事業の持続可能性を重視する傾向があります。
従業員にとっても事業計画書は重要な意味を持ちます。会社がどこに向かっているのか、自分の仕事がどう会社の成長につながるのかが分かることで、モチベーションが向上します。実際、ある調査では、経営方針が明確な企業の従業員満足度は、そうでない企業と比べて約20%高いという結果が出ています。また、採用面でも、明確なビジョンを持つ企業は優秀な人材を引き付けやすくなります。特に若い世代は、給与だけでなく「働く意味」を重視する傾向が強まっています。

2.事業計画書の構成要素と記載するべき具体的な内容

2-1. 「ありたい姿」と「全社戦略」の明確化

「ありたい姿」とは、3~5年後に実現したい会社の具体的な状態を指します。単なる数値目標や経営計画の達成点ではなく、理念やビジョンの実現する姿を言語化したものです。一般的に、以下のような特徴があります。

  • 会社や事業が将来どのような存在でありたいか、どのような価値を社会や顧客に提供したいかのストーリー
  • 「~できる存在」「~を実現している状態」など、具体的かつ前向きな表現で描かれる
  • 制約や現実的な条件を一度外し、思い描く最も理想的な状態

「ありたい姿」を描く意義

  • 経営の指針や軸となる基盤を明確にし、組織やメンバーが同じ方向に向かって行動しやすくなる
  • 単なる数字の羅列ではなく、ビジョン・使命感に基づく「物語」となるため、社員の共感や主体的な行動を促せる
  • 社内外への説明やコミュニケーションの際にも、一貫性のあるメッセージとして機能する

ありたい姿と目標・あるべき姿の違い

 ありたい姿あるべき姿・目標
主体自分や自社が心から願う理想像社会や第三者的に期待される姿や役割
制約制約なし・自由な発想規則・現実・社会的責任に基づく
「お客様にとって唯一無二のパートナー」「納期厳守」「売上前年比120%」

事業計画における活用方法

① 理想の状態(ありたい姿)を描く
  例:「お客様の悩みを解決し続ける存在」「社員が誇りを持てる会社」
② ありたい姿と現状のギャップを明確にする
③ ギャップを埋めるための課題や戦略、数値目標を設定する
④ 日々の行動や意思決定の判断基準とする

2-2. 誰が・いつ・何を・どのように行うのかを具体的に記載する方法

実行計画では「5W1H」を明確にすることが基本です。特に重要なのは「誰が(Who)」の部分で、単に「営業部」ではなく「営業部の田中課長を責任者として、新人2名を含む5名体制」のように具体的に記載します。これにより、計画倒れを防ぎ、実行可能性が高まります。
「いつ(When)」は、年間スケジュールを四半期ごとに区切り、さらに月次のマイルストーンを設定します。例えば「新商品開発:第1四半期に市場調査、第2四半期に試作品完成、第3四半期にテスト販売、第4四半期に本格展開」といった形です。各段階での成果物も明記しておくと、進捗管理がしやすくなります。
「どのように(How)」では、具体的な手法や使用するツールまで記載します。「SNSマーケティングを実施」だけでなく、「Instagram・TikTokで週3回投稿、フォロワー1万人達成後に広告配信開始、月額予算10万円」のように、実際の行動がイメージできるレベルまで落とし込みます。

2-3.売上目標と収益化までのスケジュールの記載方法

売上目標は、積み上げ方式で設定することが重要です。「現在の月商500万円を3年後に1,000万円にする」という目標なら、「既存顧客の単価アップで月100万円増(20%アップ)」「新規開拓で月200万円増(月5件×単価40万円)」「新サービス投入で月200万円増」のように、内訳を明確にします。
収益化スケジュールでは、投資回収期間を明示します。例えば、初期投資300万円のECサイト構築なら「1ヶ月目:月商30万円(経費差引後の利益10万円)」「6ヶ月目:月商100万円(利益30万円)」「12ヶ月目で累積黒字化」といった月次推移を表にまとめます。楽観・標準・悲観の3パターンを用意しておくと、金融機関からの信頼も高まります。
2025年のビジネス環境では、サブスクリプションモデルやリカーリングビジネスが主流になっています。単発売上だけでなく、LTV(顧客生涯価値)やチャーンレート(解約率)なども含めた収益予測を立てることで、より精度の高い計画になります。

2-4. 外部環境(市場・競合分析)の記載ポイントと記入例

市場分析では、まず市場規模と成長性を数値で示します。「国内の健康食品市場は2024年に1.5兆円、年率5%成長で2027年には1.7兆円規模に拡大見込み(出典:○○総研レポート)」のように、信頼できるデータを引用します。次に、ターゲット層の具体的な特徴を記載します。「30代女性、世帯年収600万円以上、健康意識が高くオーガニック商品の購入経験あり、推定人口200万人」といった形です。
競合分析は、直接競合3社程度に絞って深掘りします。表形式で「A社:シェア30%、価格帯高め、品質重視」「B社:シェア20%、価格競争力あり、品揃え豊富」「自社:シェア5%、中価格帯、カスタマイズ対応が強み」のように比較します。重要なのは、競合の弱点と自社の差別化ポイントを明確にすることです。 最新のトレンドとして、AIツールを活用した市場分析が一般化しています。Google TrendsやSNS分析ツールで消費者の関心度を定量化したり、ChatGPTで競合サイトの特徴を整理したりすることで、より客観的な分析が可能になっています。

2-5. 内部環境(自社の強み・弱み分析)の記載ポイントと記入例

売上目標は、積み上げ方式で設定することが重要です。「現在の月商500万円を3年後に1,000万円にする」という目標なら、「既存顧客の単価アップで月100万円増(20%アップ)」「新規開拓で月200万円増(月5件×単価40万円)」「新サービス投入で月200万円増」のように、内訳を明確にします。
収益化スケジュールでは、投資回収期間を明示します。例えば、初期投資300万円のECサイト構築なら「1ヶ月目:月商30万円(経費差引後の利益10万円)」「6ヶ月目:月商100万円(利益30万円)」「12ヶ月目で累積黒字化」といった月次推移を表にまとめます。楽観・標準・悲観の3パターンを用意しておくと、金融機関からの信頼も高まります。
2025年のビジネス環境では、サブスクリプションモデルやリカーリングビジネスが主流になっています。単発売上だけでなく、LTV(顧客生涯価値)やチャーンレート(解約率)なども含めた収益予測を立てることで、より精度の高い計画になります。

3. 金融機関が審査するポイントと資金調達に向けた記載方法

3-1. 金融機関が事業計画書で重視するポイントとは?

金融機関が最も重視するのは「返済能力の確実性」です。具体的には、キャッシュフロー計算書で「営業活動による現金収入が、借入返済額の1.5倍以上あるか」を確認します。例えば、月々の返済額が50万円なら、営業キャッシュフローで75万円以上を安定的に生み出せる計画になっているかがポイントです。
次に重視されるのが「売上計画の実現可能性」です。「前年比200%成長」のような急激な成長計画は、むしろ信頼性を損ないます。既存顧客からの受注内示書、新規顧客との商談記録、過去の成長率との整合性など、根拠となる資料を添付することで説得力が増します。銀行員は「なぜその売上が実現できるのか」という視点で必ず質問してくるので、明確な根拠を準備しておきましょう。
2025年現在、金融機関は「事業の持続可能性」も重視しています。SDGsへの取り組み、デジタル化対応、事業承継計画なども評価対象となります。特に地方銀行では、地域経済への貢献度も審査項目に含まれることが多く、「地元雇用を○名創出」「地元企業からの仕入れ比率○%」といった具体的な数値を示すことが有効です。

3-2. 融資・資金調達に必要な記載内容と具体的な記入例

金融機関が最も重視するのは「返済能力の確実性」です。具体的には、キャッシュフロー計算書で「営業活動による現金収入が、借入返済額の1.5倍以上あるか」を確認します。例えば、月々の返済額が50万円なら、営業キャッシュフローで75万円以上を安定的に生み出せる計画になっているかがポイントです。
次に重視されるのが「売上計画の実現可能性」です。「前年比200%成長」のような急激な成長計画は、むしろ信頼性を損ないます。既存顧客からの受注内示書、新規顧客との商談記録、過去の成長率との整合性など、根拠となる資料を添付することで説得力が増します。銀行員は「なぜその売上が実現できるのか」という視点で必ず質問してくるので、明確な根拠を準備しておきましょう。
2025年現在、金融機関は「事業の持続可能性」も重視しています。SDGsへの取り組み、デジタル化対応、事業承継計画なども評価対象となります。特に地方銀行では、地域経済への貢献度も審査項目に含まれることが多く、「地元雇用を○名創出」「地元企業からの仕入れ比率○%」といった具体的な数値を示すことが有効です。

3-3. 金融機関の評価を上げるために押さえておくべき項目と工夫

金融機関との信頼関係構築し、企業評価を上げるには、定期的な情報開示が不可欠です。月次試算表や資金繰り表を毎月提出し、業績の変化や経営課題を率直に共有しましょう。良い情報だけでなく、悪い情報も早めに伝えることで、銀行の信頼を獲得できます。具体的には、四半期ごとに銀行を訪問し、業績報告と今後の見通しを説明します。売上が下がった場合でも、原因分析と改善策を明確に示すことで、銀行は企業の対応力を評価します。例えば、「売上が前年同期比10%減少したが、新商品の投入により下半期には回復見込み」といった具体的に数値で説明をすることで経営者の資質の高さを評価されます。

4. 事業計画書の具体的な作成手順と記入例

4-1. 事業計画書作成の全体プロセスを簡単に把握すると工夫

事業計画書作成の全体プロセスは、大きく4つのステップに分けられます。
第1ステップは「現状分析」で、決算書3期分、得意先別売上高、商品別利益率などのデータを収集し、自社の実力を数値で把握します。この作業に全体の30%程度の時間をかけることで、後の計画が現実的なものになります。
第2ステップは「将来構想」です。3年後のありたい姿を描き、そこから逆算して年次目標を設定します。例えば「3年後に売上3億円」なら、「1年目1.5億円、2年目2.2億円」といった段階的な成長曲線を描きます。
第3ステップは「実行計画の策定」で、誰が・いつ・何をするかを月次レベルまで落とし込みます。
第4ステップは「数値計画の作成」です。損益計画、資金繰り表、投資計画を作成し、Excel等で相互に連動させます。2025年現在は、クラウド型の事業計画作成ツールも充実しており、財務三表が自動連動するサービスを使えば、初心者でも整合性の取れた計画が作成できます。
全体の作成期間は、じっくり取り組んで1~2ヶ月程度を見込んでおきましょう。

4-2. 実際の記入例を見ながら作成する

ここでは、飲食店の新規出店計画を例に、具体的な記入方法を説明します。事業概要の記入例:「既存店舗(○○駅前店、月商800万円)の成功モデルを横展開し、△△エリアに2号店を出店。ターゲットは30~40代のファミリー層、客単価3,000円、1週間300名の来店を目指す」。このように、具体的な数値と既存実績を組み合わせて記載します。

売上計画の記入例:「開店1ヶ月目:1週間162名×3,000円×4週=194.4万円(既存店の約50%)」「3ヶ月目:1週間246名×3,000円×4週=295.2万円(既存店の約75%)」「6ヶ月目以降:1週間288名×3,000円×4週=345.6万円(既存店の約90%)」。既存店舗の実績をベースに、立ち上がり期間を考慮した現実的な計画を立てます。

<弊社が支援して作成した飲食店A社の売上計画>

初期投資の記入例:「内装工事:坪単価40万円×30坪=1,200万円」「厨房設備:業務用冷蔵庫80万円、調理台50万円、食洗機70万円、他300万円、計500万円」「運転資金:家賃3ヶ月分180万円、人件費3ヶ月分450万円、食材費300万円、計930万円」。このように項目を細分化し、見積書や相場データで裏付けることが重要です。

また独立行政法人の中小企業基盤整備機構が運営する、中小企業とその支援者、創業予定者とその支援者のためのポータルサイト「J-Net21」も事業計画作成の参考になります。
(J-Net21)https://j-net21.smrj.go.jp/startup/manual/list5/5-1-3.html

4-3. 自社オリジナルの事業計画書を作成するためのポイント

自社の強みを最大限に活かした計画にするには、「ストーリー性」を持たせることが重要です。単に数字を並べるのではなく、「なぜ今このビジネスなのか」「なぜ自社にできるのか」を物語として語ります。例えば、「代表者が10年間培った創作和食の技術と、若手スタッフのSNS発信力を組み合わせ、伝統産業に新しい風を吹き込む」といった形で、人と技術と市場ニーズを結びつけます。

差別化要素は、できるだけ数値化・見える化させます。「高品質」ではなく「不良率0.1%以下(業界平均1%)」、「スピード対応」ではなく「注文から2時間以内に配送(競合は翌日)」のように表現します。2025年のトレンドとして、DXやサステナビリティの要素を含めると、時代に即した計画になります。

最後に、第三者(できれば金融機関での勤務経験者やコンサルタント)にレビューしてもらい、客観的な視点でのフィードバックを反映させることで、完成度の高い事業計画書になります。

5.よくある質問(FAQ)

事業計画書は何ページくらい必要ですか?

金融機関向けなら20~30ページ、社内用なら10~15ページが目安です。

重要なのはページ数ではなく、必要な情報が過不足なく含まれているかです。金融機関への提出用であれば、本文20~30ページに加えて、別添資料(決算書、見積書、市場データ等)を添付します。一方、社内での経営管理用なら、A4サイズ10ページ程度にまとめ、定期的に更新しやすい分量にすることをお勧めします。
スタートアップや新規事業の場合は、不確実性が高いため、詳細な50ページの計画書より、核心を突いた15ページの計画書の方が実用的です。

事業計画書の作成にはどのくらいの期間がかかりますか?

初めての作成なら1~2ヶ月、更新なら2~3週間が目安です。
具体的なスケジュール例
1~2週目:現状分析とデータ収集
3~4週目:将来構想と戦略立案
5~6週目:数値計画の作成
7~8週目:全体の整合性確認と修正

ただし、融資申込みの期限がある場合は、最短2週間での作成も可能です。支払いに間に合わせないなど、資金調達に期限がある場合は、短時間で整合性の取れた説得力のある事業計画を作成するのは難易度が非常に高いと思われます。その際は、中小企業診断士などの専門家のサポートを受けることをお勧めします。最短2週間程度を見込んでおくといいでしょう。

事業計画書作成に必要な準備資料は何ですか?

最低限、以下の資料を準備してください。

財務関連資料

  • 決算書(3期分)
  • 試算表(直近)
  • 資金繰り表
  • 借入金一覧表

営業関連資料

  • 得意先別売上高一覧
  • 商品・サービス別売上構成
  • 見積書・受注書
  • 営業パンフレット

その他

  • 設備投資の見積書(必要な場合)
  • 会社案内・組織図
  • 業界データ・市場調査資料
  • 競合他社の情報

これらの資料が揃っていない場合でも、作成を始めることは可能です。計画書を作りながら、必要な資料を順次整備していく方法もあります。

売上予測が立てにくい新規事業の場合はどうすればよいですか?

3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)を作成し、根拠を明確にします。

アプローチ方法

類似事例からの推計

  • 同業他社の公開情報を参考に
  • フランチャイズ本部のモデル収支を活用
  • 業界団体の統計データを基準に

積み上げ方式での算出

  • ターゲット顧客数 × 購買率 × 客単価
  • 営業人員数 × 1人当たり売上高
  • 店舗面積 × 坪当たり売上高

テストマーケティングの実施

  • クラウドファンディングでの反応確認
  • 期間限定での試験販売
  • アンケート調査による購買意向の把握

新規事業の場合、初年度の売上は控えめに見積もり、2年目以降で本格的な成長を描くのが現実的です。

6.まとめ:実行可能な事業計画書を作成し、経営目標を達成しよう

6-1. 記事のポイントの再確認と次のステップ

ここまで解説してきた事業計画書作成のポイントを振り返ると、最も重要なのは「具体性」と「実現可能性」のバランスです。夢物語ではなく、かといって現状維持でもない、ストレッチした目標を掲げつつ、それを達成するための具体的な道筋を示すことが成功の鍵となります。数値目標には必ず根拠を添え、実行計画には責任者と期限を明記し、リスクには対策をセットで提示することを忘れないでください。
作成後の次のステップは、まず社内での共有と合意形成です。経営陣だけでなく、現場のキーパーソンにも計画を説明し、フィードバックを受けて修正します。その後、金融機関や取引先など、外部のステークホルダーへの説明に進みます。特に初めて事業計画書を作成した方は、地元の商工会議所や中小企業診断士などの専門家に見てもらうことをお勧めします。多くの自治体で無料相談を実施しています。
そして最も大切なのは、作成した計画を「生きた文書」として活用することです。月に1回は計画と実績を比較し、ズレがあれば原因を分析して対策を講じます。2025年現在は、クラウド型の経営管理ツールを使えば、リアルタイムで計画対比ができるようになっています。PDCAサイクルを回し続けることで、計画は確実に現実のものとなっていきます。

6-2.事業計画を活用して経営課題・問題を解決する方法

事業計画書は、作成後こそが本番です。まず、売上が計画を下回った場合の活用例を見てみましょう。計画で「新規顧客月10件獲得」としていたのに実績が5件だった場合、「営業活動量が不足」「提案内容が顧客ニーズとズレている」「競合が予想以上に強い」など、原因を特定できます。そして「営業担当を1名増員」「顧客アンケートの実施」「価格戦略の見直し」といった具体的な改善策に繋げられます。
資金繰りの課題解決にも事業計画書は威力を発揮します。資金繰り表を毎月更新することで、「3ヶ月後に資金ショートの可能性」といった問題を事前に察知できます。対策として「売掛金の回収サイト短縮交渉」「在庫の適正化」「つなぎ融資の申込み」などを、余裕を持って実行できます。実際、計画的な資金管理により、黒字倒産を回避できた企業は数多く存在します。
組織の課題解決にも有効です。事業計画書に「○○事業の責任者:山田部長」と明記することで、権限と責任が明確になり、現場の動きが活発化します。また、計画達成度を人事評価に連動させることで、従業員のモチベーション向上にも繋がります。2025年の経営環境では、変化への対応スピードが生死を分けます。事業計画書を羅針盤として、全社一丸となって目標に向かうことで、どんな経営課題も必ず乗り越えられるはずです。

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[執筆者] 
合同会社デザイム 代表社員 水町 新
経営コンサルタント/中小企業診断士

三重銀行(現三十三銀行)での法人融資に従事後、コンサルティング会社へ転職。累計100社超の事業計画の策定実績あり。
またスタートアップ企業の執行役員として事業計画策定、資金調達を支援。 「財務をデザインし、中小企業の成長をサポートする」ことをミッションに、現場主義・数字で語るコンサルティングを実践。

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